円買い戻しリスク浮上、ドル過熱感で調整局面へ
先週は全通貨ペア安、来週CPI発表で方向決定か
今週のサマリー
2026年7月6日~10日の1週間は、全主要通貨ペアが対円で下落する「円高」局面となりました。ドルは162.1円から161.7円へ0.4円安(下落幅0.25%)、ユーロは185.46円から184.58円へ0.87円安(下落幅0.47%)と、特にユーロの下げが目立ちます。市場は先週までのドル買い優勢から一転、利益確定売りと円買い戻しが増加した週となりました。
前週レビュー
USD/JPYは週始162.1円から上値162.64円まで買われましたが、その後反落。週足ベースで161.7円で引けており、7月初旬からの上昇トレンドが一服した形です。ユーロ円は185.68円の高値から184.58円への調整で、下落幅が相対的に大きく、欧州景気への不透明感が増している可能性があります。豪ドル円も112.76円から112.44円への下落で、資源国通貨の弱さも確認されました。
クロス円の動き
USD/JPY:0.4円安(小幅調整) EUR/JPY:0.87円安(最大下落率) GBP/JPY:0.32円安(小幅調整) AUD/JPY:0.32円安(小幅調整)
円が一律に買われた形ですが、ユーロの下げが目立ちます。これは米金利の高止まりとの金利差縮小、あるいは欧州中央銀行の政策トーン に対する不安定感が背景にあるとみられます。
来週の展望
最大のテーマ:7月14日(火)米CPI統計発表 来週はコア消費者物価指数(月次・前年比)と総合CPI、そしてFRB議長ワースの証言が予定されています。この統計は米金利の先行きを占う最重要指標であり、市場はドルの「買われ過ぎ」局面の終わりを模索している段階です。
市場予想より高い数値が出れば、ドル・円買い優勢が再燃する可能性がある一方、予想並み~弱めの結果なら、円買い戻しトレンドが深まる可能性があります。来週1週間は統計発表までの『様子見相場』が続く可能性が高いです。
中央銀行スタンス
- 日本銀行(タカ派寄り):金利引き上げ姿勢が続いており、円買いの基調を支える可能性 - 米FRB(中立):インフレ動向を注視する慎重姿勢。来週CPI次第で方針が決まる段階 - 英BOE(中立):特に顕著な動きなし。ユーロとの相対関係で、ポンドは比較的堅調
日銀のタカ派スタンスが続く限り、ドル円が大きく上昇しにくい環境が続くと考えられます。
経理アクションの目安
輸出企業(ドル受け取り側)への視点: 先週の調整で161.7円まで下がりましたが、来週CPI発表までは新規のヘッジ判断を保留し、現物相場の動きを冷静に観察することが推奨されます。160円台の下値をテストする可能性も視野に入れておくべき局面です。
輸入企業(ドル支払い側)への視点: 来週のCPI発表でドルが再度上昇に転じる可能性もあるため、必要な支払いは無理なく分割実行を検討するタイミングです。161~162円水準での部分的な先払いも一つの選択肢となり得ます。
全般: 来週14日の統計発表まで、短期的な判断変動が大きくなる可能性が高いため、無理な大口決済は控えることが無難です。