JONES.Q.XRYLiquidity X-Ray機能ガイド v4.2(詳細版)
Q.XRY は オーダーフロー可視化スペシャリスト。高解像度のボリュームプロファイル(最大 300 行)を構築し、価格がどこで何枚の出来高が成立したか、トレーダーがどこにポジションを持ち誰が捕まっているか、どのレベルが機関の重みを背負っているかを X 線で透視する。「価格だけ見ているトレーダーが見落とす、構造的基盤を可視化する」ツール。
01このインジで何ができるか
Q.XRY は 8 つのモジュール(アンカー、プロファイル、POC、値域、真空、経路、pain、追跡)から成る流動性特化エンジン。詳細は:
アンカーエンジン(Auto / Manual)
自動(異常バー検出)または手動(FOMC など時刻指定)でプロファイル構築の開始点を設定。Auto モードは直近 200 バーから「レンジ × ボリューム」最大のイベントを自動検出。
流動性プロファイル(高解像度ヒストグラム)
既定 70 行、最大 300 行で構築可能。アンカー以降の各バーの出来高を価格帯ごとに累積し、「どの価格で何枚出来高が成立したか」を水平ヒストグラムで表示。
POC と値域(VAH / VAL)
POC = 最大出来高の価格(プロファイルの磁性中心)。VAH / VAL = 全体ボリュームの 70% を含む上下境界。「適正価値レンジ」の統計的基準。
Developing POC(経路追跡)
プロファイル構築中に POC の位置が時系列でどう動いたかを可視化。トレンディング / コンソリデーション / レジーム転換を市場のフェーズ判定から読み取れる。
真空ゾーン(Vacuum Zones)
ボリュームが平均の 25% 未満の低出来高エリア。価格が素早く通過する傾向が高いため、ブレイクアウト時のファーストターゲットとして機能。
Anchored VWAP(参加者平均コスト)
アンカーバーからの全バーを加重平均したゴールドラインポリライン。POC(最頻値)と違い、参加者全体の「平均的な買いコスト」を示す。POC + AVWAP 重合 = 機関グレードレベル。
Pain Dashboard(トラップ分析)
プロファイル幾何から推測された「捕まったロング / ショート」を % で表示。スクイーズ候補の早期検出、強制決済ポジションの潜在量を定量化。
Naked POC Tracker(未テスト価格追跡)
過去に POC だったが、まだ価格が再来していないマゼンタ点線。統計的に約 80% の確率で価格が POC を再訪するため、自動的な「磁石ターゲット」として機能。価格が戻ってフィルされたら自動削除。
02チャートに出る表示
Q.XRY をチャートに追加すると、ローソク足の下(チャート右側)に次の要素が表示される。
① 流動性ヒストグラム(水平バー)
チャート右端に固定された水平バーの集合。各バーの 赤(レジスタンス / 上値)または 青(サポート / 下値)は、その価格帯の出来高の多少を幅で表現。最も幅広いバーが POC(最大出来高)。
② POC ライン(マゼンタ実線)
最大出来高の価格をチャート左端から右端まで貫く太い実線。価格はこのラインに引き寄せられる傾向が強い(統計的に約 80% の確率で再訪)。
③ VAH / VAL ライン(グレー破線)
Value Area High(上限)と Value Area Low(下限)を示す破線。この範囲が「統計的に市場が同意した価値レンジ」。外側は極値。
④ AVWAP ポリライン(ゴールド曲線)
アンカーから時系列で描かれるボリューム加重平均価格の連続線。現在の参加者全体の「平均的なコスト基準」を示す。
⑤ Developing POC(半透明マゼンタ)
プロファイル構築中の各バーでの POC 位置を時系列で接続したポリライン。動きの形状(トレンド / 停滞 / ジャンプ)でマーケットフェーズを読む。
⑥ 真空ゾーン(薄灰グラデーション)
薄灰色で表示される低ボリュームエリア。価格が再来した時、この領域を素早く通過する傾向があるため「高速フィルゾーン」として機能。
⑦ Naked POC 点線(マゼンタ点線)
過去に POC だったが未テスト状態のレベル。価格がこの行に近づく = 磁石効果が働いている合図。フィルされると自動消去。
⑧ Pain Dashboard(軽量UI)
チャート右下に常駐する小型パネル。「Trapped Longs: 35.2%」「Trapped Shorts: 64.8%」「BEARISH (Hunt Longs)」のような定量情報を表示。ポジションスクイーズの機会を一目で察知できる。
03はじめての使い方(5 分セットアップ)
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チャートに追加
TradingView の Indicators 検索で「JONES.Q.XRY」を選択。サブパネルではなく、メインチャート上に流動性ヒストグラムと POC / VAH / VAL / AVWAP が即座に表示される。
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デフォルト設定で起動
Anchor Mode = Auto / Resolution = 70 / Value Area = 70% / Vacuum = Show ON / Developing POC = Show ON が既定。この状態で多くの相場環境に対応する。最初は触らなくて OK。
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POC と VAH/VAL を観察
マゼンタの POC ラインが「現在の磁性中心」。グレー破線 VAH/VAL が「統計的合意範囲」。「価格が今どこにいるか、POC / VAH / VAL に対して」を即座に判定できる。
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Developing POC で市場フェーズを読む
半透明マゼンタの経路線が、一直線(トレンド)か、停滞(コンソリデーション)か、急ジャンプ(レジーム転換)かを観察。市場が「何をしているのか」を構造から判定。
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他のインジと組み合わせる
Q.XRY は「構造可視化」。実際のエントリーは Q.PRO / Q.HBS / Q.ELA などのシグナルインジで詳細確認を。POC + AVWAP + 他ツールのシグナルが重なる = 最高確度セットアップ。
04パラメーター解説
Q.XRY の全設定項目を項目別に整理。初心者は既定値で問題ない。中級者以上は時間足や用途に応じて微調整。
Anchor Settings(アンカー設定)
| 項目 | 既定 | 効果 |
|---|---|---|
| Anchor Mode | Auto | Auto = 異常バー自動検出、Manual = 手動タイムスタンプ指定。イベント(FOMC / NFP)分析なら Manual。 |
| Manual Anchor Time | 2024-01-01 00:00 | Manual モード選択時、このタイムスタンプから逆算してアンカー開始。FOMC 発表時刻等を正確に指定。 |
| Auto-Scan Period (Bars) | 200 | Auto モードで過去何バー遡るか。200 = 数日〜1 週間の重要バーをキャッチ。長期イベント分析なら 500-1000。 |
Liquidity Profile & Contrast(プロファイル & 表示)
| 項目 | 既定 | 効果 |
|---|---|---|
| Resolution (Rows) | 70 | ヒストグラムの行数(10-300)。高いほど詳細だが描画コスト増。推奨:M15 以下 = 50-70、H1 = 70-100、H4+ = 100-150。 |
| Value Area (%) | 70.0 | VA に含める出来高比率。70% = 業界標準(Market Profile 創始者基準)。触らなくて OK。 |
| Show Vacuum Zones | ON | 低ボリューム(平均 25% 未満)エリアを薄灰色で表示。ブレイクアウトTP 候補として有用。 |
| Show Developing POC | ON | POC の経路線を表示。市場のフェーズ判定に使用。視認性が落ちたら OFF も検討。 |
Interface & Strategic Tools(UI & 機能表示)
| 項目 | 既定 | 効果 |
|---|---|---|
| Show Anchored VWAP | ON | ゴールド曲線(AVWAP)の表示。POC との重合でコンフルエンス判定に必須。 |
| Show Dashboard (Light UI) | ON | 右下の Pain Dashboard(Trapped Longs / Shorts % 表示)を表示。ポジショントラップ検知に使用。 |
- Resolution を 300 に設定 + 低スペック PC = チャートが固まる。推奨値を守る。
- Auto-Scan を 50 以下に下げる = 短期異常ノイズが増え、構造的イベントを見失う。200 推奨。
- Manual Mode で誤った時刻を指定 = プロファイルが意味不明に。FOMC / NFP 等は正確な UTC 時刻を指定。
- Value Area を 90% に上げる = VAH/VAL の幅が広すぎて、極値判定の意味がなくなる。70% 固定推奨。
05推奨設定(時間足別)
同じ Q.XRY でも、時間足によって最適なパラメーター組み合わせが異なる。次の表を目安に調整:
| 時間足 | Resolution | Lookback (Auto) | 用途 |
|---|---|---|---|
| M5 — M15 | 50-70 | 200 | スキャル / 短期スイング |
| H1 | 70-100 | 300 | デイトレ / 市況分析 |
| H4 | 100-150 | 500 | スイング / 数日保有 |
| D(日足) | 150-200 | 1000 | 長期構造 / 機関ポジション把握 |
06アラート & 通知の設定方法
Q.XRY はシグナル発火型ではなく「構造可視化型」だが、TradingView のアラート機能で次のイベントを監視できる:
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TradingView でアラート作成
チャート右上 → Add Alert → Condition を「JONES.Q.XRY」の any alert function call に設定。
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監視ポイント設定
Q.XRY が内部で発火するアラート条件:
- Price Crossed POC(価格が POC をクロス)
- Price Entered / Exited Value Area(VAH 突破 / VAL 割れ)
- Naked POC Approach(価格が Naked POC に接近)
- Naked POC Filled(未テスト POC がフィルされた)
- Vacuum Zone Entry(真空ゾーン進入)
- Pain Dashboard Squeeze Alert(トラップ比率超過)
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Webhook / Notification 設定
Message は空欄で OK(Pine 側で自動生成)。Alert frequency を「Once Per Bar Close」推奨(確定バーのみ発火)。Discord / Slack の Webhook URL をコピペ。
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テスト
POC クロスは比較的頻繁に発火するので、1-2 日眺めれば到達確認可能。通知が来ることを確認したら本運用へ。
07想定運用シナリオ
初心者から上級者まで、実際のトレード運用における Q.XRY の使い方:
シーン 1 — POC への平均回帰スキャル
Auto-Anchor で起動。チャートに POC(マゼンタ実線)が見えたら、価格が POC から大きく上に伸びたときを待つ。モメンタム枯渇(高値更新が止まる、ボリューム枯渇)を確認してからショートポジション開始、ターゲット POC。統計的に約 80% の確率で価格が POC に再訪するため、再現性のあるエッジになる。最もシンプルな運用法。
シーン 2 — Naked POC スナイパー
マゼンタ点線の Naked POC を監視。価格がこのレベルに接近したら、「磁石が価格を引き寄せる」を期待してエントリー。複数の Naked POC がある場合、価格に近い順に磁力が強いと考える。判断基準が「点線がどこにあるか」だけなので、初心者向き。他トレードの TP としても活用可能。
シーン 3 — ニュースイベント プロファイル分析
Manual Mode で FOMC 発表時刻(UTC)を正確に指定してアンカー。結果のプロファイルが post-FOMC のコンセンサス形成を表示。POC = ニュース後の市場が認めた「新しい適正価格」、VAH/VAL = 新しい合意レンジの上下。これらをサポート / レジスタンスとして翌日以降の取引に活用。
シーン 4 — 真空ゾーン ブレイクアウト TP
現在価格より上方の真空ゾーン(薄灰色エリア)を識別。ブレイクアウト仕掛けが入ったら、真空ゾーン = ファーストターゲット。価格が低ボリュームエリアを素早く通過する傾向があるため、TP1 = 真空入口、TP2 = 真空出口(次の高ボリュームゾーン)を設定。機械的に実行可能。
シーン 5 — POC + AVWAP コンフルエンス
POC(マゼンタ実線)と AVWAP(ゴールドカーブ)が同じ価格帯で重なるタイミングを待つ。両者が合致 = 「最頻値(POC)」と「平均コスト(AVWAP)」が一致 = 機関グレードのバウンスゾーン。Q.PRO や Q.ELA のシグナル発火と組み合わせれば、最高確度のエントリーになる。
シーン 6 — トラップポジション ストーキング
Pain Dashboard が「Trapped Longs: 50,000 lot 相当」を表示、かつ現在価格がそのコスト基準より下にある = ロングポジションが満遍なく含み損。急落の発生を監視し、ストップロス連鎖による強制決済カスケードを狙撃。希少だが強力なセットアップ。
シーン 7 — Developing POC ナラティブ読解
Developing POC(半透明マゼンタ経路)の動きを観察:
- 一方向トレンド = トレンディングアクセプタンス(合意価格が動いている) → トレンドフォロー戦略適用
- 停滞 / 横這い = コンソリデーション(合意価格が固定) → ブレイクアウト待機
- 急ジャンプ = レジーム転換(大量出来高イベント) → 戦略切替
市場のフェーズを構造から直接読み取るクオンツ運用。最も高度な使い方。
08他の Q.* インジとの組み合わせ
Q.XRY は「構造可視化」に特化。他の Jones Quant ツールとの連携で確度が飛躍的に向上:
- Q.HBS と組み合わせる: Q.HBS のピボットレベル(S1/R1)と Q.XRY の POC / AVWAP が重なる = 構造 × ボリューム × ピボットの三重コンフルエンス。最高確度。
- Q.PRO / Q.ESS と組み合わせる: Q.XRY で構造を把握 → Q.PRO / Q.ESS で詳細シグナル確認 → エントリー。「狩り場の特定」+ 「精密狙撃」の分業。
- Q.ELA と組み合わせる: Q.ELA の SNAP がドンピシャと POC / AVWAP / Naked POC で発火 = 逆張りエッジの確度最大。
- Q.CCY と組み合わせる: 強通貨ペアを特定(Q.CCY)→ そのペアの Q.XRY プロファイル確認 → 機関がどこに乗っているかを把握。クロスペア売買の精度向上。
- Q.MAC と組み合わせる: マクロイベント(FOMC / NFP / 中銀発表)の時刻を Q.XRY Manual Anchor に指定 → イベント専用プロファイル分析。
09よくある質問・トラブルシューティング
10アップデート履歴
- Vacuum Zone(真空ゾーン)アルゴリズム最適化 → 25% 閾値で確定
- Pain Dashboard グラデーション表現強化 → 出来高比率に応じた無段階透明度
- リソース管理改善 → max_boxes 500 / max_lines 500 / max_polylines 100 で安定稼働
Q.XRY は Essential パッケージには含まれず、Ultra 以上の契約で利用可能。流動性プロファイル特化を希望するトレーダー向けの上位ティアツール。