市場の読み方
表面的なテクニカルでなく、需給・金利・流動性・相関・クオンツの基礎を体系立てて学ぶ常設シリーズ。 縦串は一本 ―― 流動性 → 金利 → 為替 → 株。 最初に全体地図を見せ、その鎖を上流から順に登る。各章は最後に、その概念が kenny.boats で実際にどう出ているかに着地する。
土台:市場の見方
- なぜ価格は動くのか
チャートは価格の記録ではない。殴り合いの監視カメラ映像だ。
価格は「正しい値」ではなく買い圧と売り圧の差。なぜ良い指標で通貨が売られるのか、サプライズとディーラー・ガンマで読み解く市場の力学の入口。
- すべてはつながっている ― 相場を貫く一本の川
あなたがドル円を見ている間、ドル円を動かすものはチャートの外で流れている。
流動性→金利→為替→株。相場を貫く一本の「川」を最初に俯瞰し、すべての資産がどうつながっているかを一枚の地図にする。
- 「絶対勝てる」が数学的に嘘である理由
ハイリスク・ハイリターンは嘘。正しくは“ハイリスク・ハイ・バラツキ”だ。
期待値・ボラティリティ・分布から、「絶対勝てる」がなぜ数学的に成立しないかを示す。プロが狙うのは予言でなく小さな確率の偏り(エッジ)。
- 相関は嘘をつく ― 同じ2資産が逆に動き出す日
「株と金は逆相関」を信じてる人は、まだ暴落を経験していない。
相関は安定した法則ではなくレジームで動く内生変数。分散が一番欲しい時に相関が1へ収束し、消える瞬間の構造を解く。
エンジン:お金の値段=金利
- 世界のすべての値段の親玉 ― 政策金利
中央銀行は金利を“決めて”いない。お金の値札を書き換えているだけだ。
政策金利はなぜ世界中の値段の起点なのか。中央銀行が「お金の値札」を書き換える仕組みと、割引・フォワードガイダンス。
- カーブの形は市場の予言である ― イールドカーブの読み方
逆イールドは予言じゃない。巨大な賭場の“投票結果”だ。
短期と長期、期待理論とターム・プレミアム。イールドカーブの形が映す「市場の期待」と、逆イールドの本当の意味。
- 名目に騙されるな ― 為替と株を動かす実質金利
金利が上がったのに通貨が下がる。その矛盾の答えはここにある。
名目金利の裏にある実質金利。なぜ金利が上がっても通貨が下がるのか、期待インフレ・ブレークイーブン・ゴールドの関係。
潮:流動性
力比べ:為替
- 為替を動かす本当の要因 ― 風とニュース
為替がニュースで動くと思うなら、天気予報を見て風が吹くと思っている人だ。
為替を動かす本当の要因は金利差・キャリー・フロー。なぜニュースは表層なのか、風と天気予報のたとえで読み解く。
- ポジションを読む ― COTと“群れ”の心理
皆が同じ方向を向いた時、それは順張りのサインか、燃料切れの警報か。
COT(CFTC建玉)で「群れ」を読む。皆が同じ方向を向いた時、それは順張りか燃料切れか。クラウディングとCTA。
- 円という特殊解 ― なぜ円だけ振る舞いが違うのか
円は通貨であると同時に、世界最大の“借金の道具”だ。
円はなぜ他通貨と振る舞いが違うのか。世界最大の調達通貨=円キャリーとリスクオフ、本邦勢フローという特殊解。
環を閉じる:株とクロスアセット
思考の道具:クオンツの基礎
- 美しいバックテストを疑え ― 過剰最適化の罠
過去に100点を取る方法は、過去を見ながらカンニングすることだ。
美しいバックテストを疑え。過剰最適化・多重検定・生存バイアスがなぜ嘘をつくか、紙のシャープレシオが執行で消える理由。
- 同じ戦略が儲かり、そして死ぬ ― レジームと確率
エッジは消えない。混雑して痩せ、忘れた頃に復活する。
同じ戦略が儲かり、そして死ぬ。エッジは消えず混雑で痩せ、レジームで復活する。相場の状態と確率で考える頭の作り方。
- 自分の頭で検証する ― 公開採点という誠実さ
「当たった」を数えるな。当たる“確率”を較正できる者だけが信頼に足る。
「当たった」を数えるな。較正・Brier score・信頼区間・ランダムベンチ比較で予測精度を公開採点する誠実さ。
雇用統計・CPI・FOMC ほか主要指標を「何を見るか・反応関数」で読む常設リファレンス。
円キャリー巻き戻し・SVB・リーマンなど歴史的な危機を「何が・なぜ」で解剖する。
アルゴ・パッシブ・AIが市場の構造をどう書き換えたか。AIデスクを運営する当事者の視点で。
過去のサイクルから、世界・戦争・日本の相場の現在地を診断する2026年6月時点の時事レポート。
父をFXで失った経済記者が、富豪の私設クオンツファンドに潜り込む連載小説。実際のドル円の推移を背骨に。毎週火曜更新。